「朝つけて出かけたのに、夕方にはもう残り20%」

数年使ったApple Watchで、こんな日が増えていませんか。

こんにちは、「Appleデバイスの住み替え術」編集人の真鍋です。家電量販店のモバイルコーナーにいた頃、「電池がへたったから買い替えたい」という相談をよく受けました。そのたびに、まずはお客さまの手首の時計で「最大容量」の数字を一緒に確かめてもらっていました。数字を見れば、交換で済む人、売って買い替えたほうが得な人、まだ何もしなくていい人に分かれるからです。

この記事では、バッテリーの劣化度を確かめる手順から、Appleでの交換費用、9月に配信が始まったwatchOS 27の対応状況までを整理しました。最後に、「交換して使い続けるか、売って買い替えるか」を決めるための早見表も用意しています。

Apple Watchでバッテリーの最大容量を確認する手順

劣化度は、Apple Watch本体の設定アプリで確かめます。

Apple Watchユーザガイドの手順はシンプルです。Apple Watchで設定アプリを開き、「バッテリー」をタップしてから「バッテリーの状態」をタップします。そこに表示される「最大容量」が、新品のときと比べて今どれだけ電気をためられるかを示す数字です。100%に近いほど新品に近く、数字が下がるほど劣化が進んでいます。

売り場でよく見かけたのが、コントロールセンターに出る残量と最大容量を取り違えているケースです。残量は今どれだけ電気が残っているか、最大容量は満タンにしたときにどこまで入るかを表していて、まったく別の数字です。

ひとつ手前の「バッテリー」画面にも目を通しておくと、判断の材料が増えます。残量のほかに最近の充電履歴がグラフで表示されるので、1日に何回充電器へ戻しているかが一目で分かります。最大容量が80%台なのに夕方までもたないなら、交換の前に使い方を見直してください。低電力モードを使ったり、「アプリのバックグラウンド更新」をオフにしたりするだけでも、持ちは変わります。

また、容量が大きく減ったときは、Apple Watchのほうから通知が届き、サービスの選択肢を確認できるようになっています。この通知が来たら、交換か買い替えかを決める合図だと受け止めましょう。

「80%」がAppleの引いている線

最大容量がいくつになったら交換を考えるべきか。目安は80%です。

Appleはバッテリーに関する公式ページで、Apple Watchのバッテリーは「フル充電サイクルを1,000回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています」と説明しています。毎日1回フル充電すると、1,000回に届くのは約2年9か月後です。2〜3年使ったApple Watchの電池持ちが落ちてくるのは、設計上の想定どおりなのです。

AppleCare+の線引きも、同じ80%に置かれています。加入していれば、最大容量が80%を下回ったバッテリーを追加料金なしで交換してもらえます。一方で、購入時に付いてくる1年間の製品保証は、通常の使用によるバッテリーの劣化を対象外としています。

売り場では、最大容量が80%台後半のお客さまには「交換はまだ早いですよ」とお伝えしていました。80%を割ったところからが、判断のスタートラインです。

Appleでのバッテリー交換は、Series 6以降なら一律17,400円

AppleCare+に入っていない場合、交換にはいくらかかるのでしょうか。

AppleによるApple Watchのサービスと修理のページでモデルを選ぶと、保証対象外のバッテリー修理の見積額が表示されます。Series 6から最新のSeries 12まで、SEもUltraもエルメスのモデルも、見積額はすべて17,400円(税込)でした。

最終的な料金は、Appleが本体を診断・検査したうえで確定します。配送修理を選べば配送料が加わりますし、Apple正規サービスプロバイダは料金を独自に設定しているので、店によって金額は変わります。料金は改定されることもあるため、申し込む前に同じページで最新の見積額を確かめてください。

AppleCare+に加入していて最大容量が80%を下回っていれば、同じ修理が0円で受けられます。加入しているか覚えていない方は、修理ページから保証状況を確認できます。17,400円を払う前に、ここだけは必ず見ておきましょう。

注意したいのは、Series 5以前のモデルです。Appleの見積もり一覧にはSeries 6以降しか載っておらず、それより前のモデルはAppleのサポート情報で「ビンテージ製品」か「オブソリート製品」に分類されています。ビンテージ製品の修理は部品の在庫次第で、オブソリート製品はハードウェア修理そのものの対象外です。

もうひとつ見落とせないのが、料金が一律だという点です。新しいモデルでも古いモデルでも同じ17,400円なので、本体の価値が下がった古い機種ほど、交換費用の重みが増していきます。この差は、後の早見表で数字にして確かめます。

watchOS 27に対応しているかで「あと何年使えるか」が変わる

交換を決める前に、もうひとつ確認してほしいのがOSです。2026年9月に配信が始まったwatchOS 27は、対応機種がぐっと絞られました。

Apple公式のwatchOS 27のページによると、対応しているのは次のモデルです。

  • Apple Watch SE 3
  • Apple Watch Series 9、Series 10、Series 11、Series 12
  • Apple Watch Ultra 2、Ultra 3、Ultra 4

組み合わせるiPhoneも、iOS 27を搭載したiPhone 11以降、またはiPhone SE(第2世代以降)が条件です。

一方、watchOS 26まで対応していたSeries 6、Series 7、Series 8、SE(第2世代)、初代Ultraは、今回のアップデート対象から外れました。これらのモデルはwatchOS 26のまま使い続けられますが、watchOS 27で加わった機能は届きません。Series 8や初代Ultraは2022年発売のモデルなので、まだまだ現役のつもりだった方も多いはずです。

ここが交換判断の分かれ目になります。17,400円をかけて電池を新しくしても、OSの進化からは置いていかれる。その出費に納得できるかどうかを、一度立ち止まって考えてみてください。

交換か売却か、判断の早見表

交換費用と下取り額を並べてみる

ここからは数字で比べます。下の表は、各モデルの発売年とwatchOS 27への対応状況に、Apple Trade Inで示されている下取り額の上限を並べたものです。

モデル発売年watchOS 27Apple Trade Inの下取り額(上限)
Ultra 32025年対応67,000円
Ultra 22023年対応42,000円
Series 112025年対応37,000円
初代Ultra2022年非対応30,000円
Series 102024年対応25,000円
Series 92023年対応18,000円
SE 32025年対応17,000円
Series 82022年非対応13,000円
SE(第2世代)2022年非対応9,000円
Series 72021年非対応8,000円
Series 62020年非対応5,000円

Apple Trade Inの金額は「最大」の額で、実際の下取り額は時期や本体の状態によって変わり、これを下回ることもあります。買取店の査定額とも別物なので、あくまで比較の物差しとして見てください。

交換費用の17,400円と並べると、景色がはっきりします。Series 7の下取り上限は8,000円で、交換費用の半分にも届きません。Series 9は18,000円で、交換費用とほぼ同じ額です。ここは使う期間で決まる機種で、あと2年使うなら17,400円は月に約725円の負担になります。Ultra 2なら42,000円あるので、17,400円で電池を新しくしても、本体に残る価値のほうがずっと大きい計算になります。

私は自分のデバイスの購入額と売却額をすべてスプレッドシートに記録していますが、修理代が本体の値打ちを上回る修理には、まずお金をかけません。その分を次の一台の資金に回したほうが、住み替えの総額は軽くなるからです。

状況別の早見表

ここまでの話を、状況別の早見表にまとめます。

あなたの状況おすすめの判断
最大容量が80%以上交換はまだ不要。低電力モードなどの設定で様子を見る
80%未満で、AppleCare+に加入中0円で交換して使い続ける
80%未満で、watchOS 27対応機(Series 9以降・SE 3・Ultra 2以降)あと2年以上使うなら交換。それより早く買い替えるなら売却
80%未満で、watchOS 27非対応機(Series 6〜8・SE 第2世代・初代Ultra)売って買い替える。初代Ultraのみ交換も選択肢
Series 5以前Appleでの交換は難しい。買取店の査定や、Apple Trade Inの無料リサイクルを検討

初代Ultraを例外にしたのは、下取り上限が30,000円と高く、交換費用を払っても本体の価値が残るからです。watchOS 27の新機能にこだわらないなら、電池を新しくして使い倒すのも十分ありです。

迷ったときの物差しはひとつだけ。「交換費用の17,400円」が「その時計の下取り額」を上回るなら売る、下回るなら交換を検討する。これで、たいていのケースは答えが出ます。

売ると決めたら、ペアリング解除を忘れずに

売却に傾いたら、手放す前にiPhoneとのペアリングを解除します。iPhoneでApple Watchアプリを開き、「マイウォッチ」から「すべてのWatch」に進んで、手放す時計の横にある情報ボタン(i)から「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップしてください。ペアリングを解除すると時計のデータが消去され、Apple Accountからも外れて、アクティベーションロックが解除されます。

時計本体の設定から「すべてのコンテンツと設定を消去」を実行する方法もありますが、こちらはApple Watchを手元に残したままリセットしたいときの方法です。Appleが売却や譲渡の前にやるよう案内しているのは、ペアリング解除のほうです。モバイル通信モデルを使っている方は、通信プランを解除するかどうかもあわせて決めておきましょう。

売るタイミングについても少しだけ触れておきます。Apple Watch Series 12とUltra 4は、9月18日に発売されたばかりです。私が売り場で見てきた限り、新型に乗り換えた人の旧モデルは、データの移行が落ち着いたころにまとめて中古市場へ流れてきます。相場が動く仕組みは新型iPad発表の噂が出たら旧モデルの相場はどう動く?で詳しく書きましたが、Apple Watchでも考え方は変わりません。売ると決めたなら、先延ばしにしないことです。

まとめ

Apple Watchのバッテリーで迷ったときに押さえておきたいことを、もう一度並べます。

  • 最大容量は、Apple Watchの設定アプリで「バッテリー」から「バッテリーの状態」に進むと表示される
  • 交換の目安は80%で、AppleCare+に加入中なら80%未満の交換は0円
  • 加入していなければ、Appleでの交換費用はSeries 6以降のどのモデルも17,400円(税込)
  • watchOS 27の対象はSeries 9以降、SE 3、Ultra 2以降で、Series 6〜8、SE(第2世代)、初代Ultraは外れた
  • 交換費用がその時計の下取り額を上回るなら、売って買い替えたほうが得になる

バッテリーの数字は、時計からの「引っ越しの合図」です。まずは今夜、手首のApple Watchで最大容量を開いてみてください。その数字とこの記事の早見表を見比べれば、交換か売却か、次にやることは自然に決まります。

出典

本記事の執筆にあたり、以下の情報を参考にいたしました。

  1. Apple Watchのバッテリーの状態と使用状況を確認する – Apple サポート
  2. AppleによるApple Watchのサービスと修理 – Apple サポート
  3. watchOS 27 – Apple(日本)
  4. Apple Trade In – Apple(日本)