「耳に入れていたものを、他人に売っていいのかな」

引き出しに眠っているAirPodsを前に、そう考えて手が止まっている方は少なくないはずです。

こんにちは、「Appleデバイスの住み替え術」編集人の真鍋です。家電量販店のモバイルコーナーにいた6年間、イヤホンの話になるとお客さまの声が少し小さくなる場面に、何度も立ち会ってきました。「これって売れるんですか。耳に入れてたものですけど」と。

AirPodsは中古でも値段がつきます。そして査定で見られるのは、衛生面の漠然とした印象よりも、「探す」の解除や左右の動作、充電ケースとバッテリーの状態といった具体的な項目です。

2026年9月にAirPods 5が発表され、手元のAirPodsを手放すか迷っている方もいるでしょう。この記事では、イヤホン買取で衛生面がどう扱われるのか、査定で何を見られるのか、売る前に何をすればいいのかを、Apple公式の手順に沿って整理します。

AirPodsは中古でも売れる。ただしApple Trade Inの下取りには出せない

まず売り先の話から始めます。Apple Trade Inで下取り額がつくカテゴリはスマートフォン、タブレット、コンピュータ、時計の4つで、AirPodsはここに入っていません。Appleに持ち込んだ場合の行き先は、無料のリサイクルです。

AirPodsをお金に換えたいなら、買取店かフリマアプリを使うことになります。需要はきちんとあって、イヤホンを扱う買取店の中には、AirPodsやAirPods Proの片耳やケースだけを買い取っているところもあります。片方をなくした人が、もう片方だけを中古で探すからです。

売る時期も意識しておきましょう。Appleのラインナップは今、AirPods 5、AirPods Pro 3、AirPods Max 2の顔ぶれで、AirPods 4やAirPods Pro 2はひとつ前の世代になりました。新製品が出たあとは、旧モデルの買取価格が下がることがあります。新モデルの発表と中古相場の関係は新型iPad発表の噂が出たら旧モデルの相場はどう動く?で詳しく書きましたが、AirPodsでも考え方は変わりません。相場は時期や状態で動くので、売ると決めたら早めに準備を始めてください。

耳に入れるものを売る。衛生面はどう扱われる?

買取店ごとに扱いは違う

いちばん気になるのは、買い取られたAirPodsがその後どう扱われるかでしょう。イヤーチップを新品に替えるのか、清掃してそのまま再販するのか。私が調べた範囲では、こうした手順を細かく公開している買取店は見当たりませんでした。扱いは店ごとに違う、と考えておくのが現実的です。フリマアプリで個人に売る場合は、この不安を買い手が直接抱えることになり、「耳垢は付いていませんか」といった質問にも自分で答えなければなりません。

ただ、査定で衛生に関わる部分がどう見られているかは分かります。型番ごとに買取価格の目安を載せている型番買取.jpのAirPods Pro 3のページでは、査定時の確認ポイントとして「メッシュの詰まり」や「汗や水分による変色」が挙がっています。耳垢や皮脂は「気持ち悪いかどうか」ではなく、音の出口をふさぐ汚れや外装の劣化として、状態の評価に入るわけです。

Apple自身もAirPodsを売却、譲渡、返品、リサイクルする前にというページで、新しい所有者に譲る前にお手入れしておくよう勧めています。売り手がきれいにしておくことは、次の人へのマナーであり、そのまま査定対策にもなります。

イヤーチップは消耗品と割り切る

耳の中に直接触れるのはイヤーチップです。イヤーチップが付いているのはAirPods Proシリーズで、無印のAirPodsにはありません。

AppleはAirPods Pro 3用の交換用イヤーチップを2組入りで販売していて、サイズはXXSからLまでの5つから選べます。つまりイヤーチップは、次の持ち主が自分で替えられる消耗品です。だからといって外して捨ててしまうと、かえって損をします。先ほどの確認ポイントには「イヤーピースの欠品」も入っているので、洗って乾かしてから本体に付けておき、箱に残っている未使用のサイズも一緒に送りましょう。私も前の世代のAirPods Proを手放したときは、使っていたイヤーチップを洗って付け直し、一度も袋から出していないサイズはそのまま箱に戻しました。

AirPodsの査定基準。見られるのはこの7項目

型番買取.jpの確認ポイントをもとに、付属品を加えて整理しました。

項目見られる点売る前にできること
型番・世代左右のイヤホンと充電ケースのモデル番号が合っているか「設定」の「Bluetooth」でモデル番号を確かめる
Apple Accountと「探す」アカウントとの関連付けが解除されているか「探す」アプリからAirPodsを削除する
左右の再生音量差、音割れ、ノイズ、片側だけ切れる症状両耳で音楽を流して聴き比べる
バッテリーと充電ケース充電、電池の減り方、端子の接触、蓋のがたつき満充電にして普段どおり使ってみる
ノイズ制御とマイクノイズキャンセリングや外部音取り込みの切り替え、通話マイク一度通話して相手に聞こえ方を確かめる
イヤーチップと外装欠品、メッシュの詰まり、傷、汗による変色Apple公式の方法でお手入れする
付属品箱、説明書類、予備のイヤーチップ、同梱されていたモデルならケーブル購入時の箱と中身を探しておく

売り場で初期不良の確認をしていた頃、私が真っ先に見ていたのはケースの蓋でした。閉めたときにきちんと止まるか、開いた状態でぐらつかないか。一日に何十回も開け閉めする部分なので、使い込んだ年月がいちばん素直に出ます。

片耳だけ、ケースだけのとき

AirPodsやAirPods Proのモデル番号は、各イヤホンの下側に記載されていて、Aの文字で始まります。査定では左右とケースの番号を照合するので、片方をなくして買い足した個体や、別の世代のケースと組み合わせている場合は、申し込みの時点で伝えておいてください。あとから食い違いが見つかるより、最初に申告したほうが話はずっと早く進みます。

売る前の準備は、Apple公式の手順どおりに

最初に「探す」からAirPodsを削除する

AirPodsは、一度に1つのApple Accountにしかペアリングできません。あなたのApple Accountに残ったままだと、次の持ち主は自分のアカウントにつなげないのです。

iPhoneやiPadなら、「探す」アプリを開いて「デバイスを探す」タブでAirPodsをタップし、上にスワイプして「このデバイスを削除」、確認の「削除」とタップします。OSのバージョンによっては、ボタンが「このデバイスを解除」と表示されることもあります。iPhoneが手元にないときは、icloud.com/findにサインインして同じ操作ができます。

Bluetoothでつながっていなくても削除はできますが、つながっている状態のほうが早く済むとAppleは案内しています。リセットより先にこの作業を済ませるのは、そのためです。

この削除を飛ばすと面倒なことになります。Appleの「持ち物やデバイスが別のApple Accountに関連付けられている場合」というページによれば、前の持ち主が削除しない限り新しいアカウントとはペアリングできず、AirPodsをApple Accountに結びつける「”探す”をロックして保護」の解除をAppleは手伝えません。リセットしても、このロックは外れません。iPadを売る前の完全チェックリスト。サインアウトから「探す」オフまでで取り上げたアクティベーションロックと同じ構図で、「初期化したのに使えない」がAirPodsでも起きます。

順番の注意をもうひとつ。表にある左右の再生やマイクの確認は、削除の前に終わらせておきましょう。AirPodsはiPhoneやiPadとペアリングすると「探す」のデバイスリストに表示されるので、削除したあとに動作確認のためつなぎ直すと、削除からやり直しになります。

AppleCareのプランに入っているなら、解約するか、新しい持ち主に移行するかもこの段階で決めておきましょう。

Bluetoothの登録を解除して、リセットする

続いてリセットです。AirPodsやAirPods Proをリセットする方法によると、まずAirPodsを充電ケースに入れて蓋を閉め、30秒待ちます。次にiPhoneの「設定」から「Bluetooth」を開き、AirPodsの横の詳細情報ボタンから「このデバイスの登録を解除」をタップし、確認のためもう一度タップします。ケースの蓋を開けたら、モデルごとに操作が分かれます。

モデル蓋を開けたあとの操作
AirPods 1〜3、AirPods Pro 1・2ケース背面の設定ボタンを15秒ほど長押し
AirPods 4、AirPods Pro 3などランプの点灯中にケース前面をダブルタップ。白く点滅したら再びダブルタップし、速く点滅したらもう一度ダブルタップ

どちらも、ステータスランプがオレンジ色に点滅し、続いて白く点滅すれば完了です。ヘッドホン型のAirPods Maxは手順が違うので、Appleの案内を確認してください。

お手入れはApple公式の方法だけで

最後は拭き上げです。AirPods Proのお手入れ方法では、本体は流水で軽く湿らせた布で拭き、糸くずの出ない柔らかい乾いた布で乾かすよう案内されています。イヤーチップは本体から外して水ですすぎ、完全に乾いてから戻します。楕円形なので、はめる向きには気をつけてください。

AirPods Pro 2とPro 3のメッシュ部は、PEG-6を含むミセラーウォーターに浸した子ども用の柔らかい歯ブラシで磨き、蒸留水で同じ手順を繰り返す方法が載っています。ケースは乾いた布で拭き、必要ならイソプロピルアルコールで布を少し湿らせても構いません。衛生面が気になると除菌シートで本体まで拭きたくなりますが、Appleが本体用に案内しているのは水で湿らせた布までで、アルコールが出てくるのは充電ケースの項目だけです。充電ポートのゴミは、毛先の柔らかい乾いたブラシで払います。無印のAirPodsは、先ほどの「売却、譲渡、返品、リサイクルする前に」のページから専用のお手入れ方法に進めます。

AirPods Pro 3に限っては、イヤーチップの穴を指でふさぎ、水を張ったボウルに10秒ほど浸して軽く振る、という任意のすすぎ方も案内されています。Pro 3以外のモデルでは真似しないでください。

反対に、Appleが避けるよう書いているのは次のことです。

  • 本体を水で洗い流す(Pro 3の任意のすすぎ方を除く)
  • 鋭利な道具や研磨剤を使う
  • イヤーチップを石鹸や家庭用洗剤で洗う
  • 充電ポートに液体を入れる、ブラシ以外のものを差し込む

本体やメッシュを湿らせたら、ケースに戻す前に2時間以上置いて完全に乾かします。私はいつも、発送の2〜3日前にお手入れを終わらせるようにしています。前日の夜に慌てて濡らすより、ずっと気が楽です。

まとめ

AirPodsを中古で売るときの要点を振り返ります。

  • AirPodsは中古でも売れるが、Apple Trade Inの下取り対象ではない
  • 衛生面の扱いは買取店ごとに違い、汚れはメッシュの詰まりや変色として状態の評価に入る
  • イヤーチップは捨てずに洗って付け、未使用のサイズも同梱する
  • 「探す」からの削除、リセット、お手入れの順に進める
  • 片耳を買い足した個体や組み合わせの違うケースは、申し込み時に申告する

準備が整ったら、手元のAirPodsがどのくらいで売れそうか、目安を押さえておきましょう。株式会社Rebroが運営する型番買取.jpのヘッドホン・イヤホン買取価格一覧では、AirPods Pro 3やAirPods 4などを型番から探せて、新品未開封・美品・良品・訳ありの状態別に相場買取価格の目安と査定ポイントを確認できます。掲載価格は新品の実勢価格をもとに週に1回取り直している目安で、確定した買取金額ではありません。それでも、自分のAirPodsがどの状態に当てはまりそうかを先に見ておけば、提示された査定額に納得できるかどうかを落ち着いて判断できます。

耳に入れていたものだからこそ、きれいにして、名義を外して、次の持ち主へ渡す。そこまで丁寧に手放せば、AirPodsはきちんと値段で応えてくれます。

出典

本記事の執筆にあたり、以下の情報を参考にいたしました。

  1. AirPodsを売却、譲渡、返品、リサイクルする前に – Apple サポート
  2. AirPodsやAirPods Proをリセットする方法 – Apple サポート
  3. AirPods Proのお手入れ方法 – Apple サポート
  4. ヘッドホン・イヤホン買取価格一覧|型番から探す – 型番買取.jp